平成24年9月4日、名古屋にて『第2回水利尿薬の位置づけを考える会』が開催されました。慢性心不全は、年々患者数が増加しており、問題となっています。また難治性の症例では一度退院しても、何度も再入院する症例も少なくありません。そんな症例の共通点は、腎機能が悪く低Na血症を合併していることです。しかしフロセミドなどを増量するとさらに腎機能が悪化してしまうため、治療に難渋します。昨年、バソプレッシンのV2受容体拮抗薬が上市されました。本剤は、腎機能を悪化させないで水だけを排出し、低Na血症を改善させる薬剤で、とても期待されています。しかし、まだ新しい薬剤であり、臨床経験が少ないため、今回のような研究会を開催し、専門医の先生方が一緒に勉強をされています。今回も、沢山の症例のご経験がある先生方からとても興味深いお話を伺うことができました。私は、臨床治験でしか使用したことがありませんが、今後外来で使用する際にとても為になるお話ばかりでした。
講演Ⅰ
座長:名古屋大学医学部大学医院医学系研究科肺高血圧先端医療学寄附講座 助教 平敷安希博先生
演者:愛知医科大学循環器内科講師 水野智文先生
『トルバプタンの適応を考える』
講演Ⅱ
座長:藤田保健衛生大学短期大学医療情報技術科教授 岩瀬正嗣先生
演者:トヨタ記念病院内科部長 石木良治先生
『トルバプタン 慢性維持投与の効果』
総合討論
座長:トヨタ記念病院副院長 岩瀬三紀先生
『心不全治療におけるトルバプタンの位置づけと可能性について』