平光ハートクリニック

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名古屋市南区にある循環器内科・内科・小児科の平光ハートクリニック
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平光ハートクリニック 院長 平光伸也のブログ  hiramitsu.exblog.jp

微量アルブミン尿に関するプレスセミナー

微量アルブミン尿が認められる症例は、高血圧でも糖尿病においても心血管イベントの発生率が3倍以上に増加することが判明し、予後を予測する新しい因子であると考えられています。以前から尿中の蛋白量を測定することは重要であると考えられていましたが、24時間蓄尿しなければならず、面倒な検査であるためほとんど実施されてきませんでした。最近は、尿中に含まれるクレアチニンとの比率を計算することにより、尿中に排泄されたアルブミンの量が正確に測定できるようになりました。しかしわが国では本検査は、糖尿病患者にのみ保険収載されており、高血圧や慢性腎臓病(CKD)の診断や治療には活用できない状況となっています。また微量アルブミンの検査は、糖尿病患者においても測定される機会がまだ少なく、30%以下の施行率であると報告されています。尿は捨ててしまうものです。この尿を用いた検査により、患者様のリスクを層別化することができれば、とても有用な検査であると考えられます。また一般の実地医家に通院中の高血圧患者において、微量アルブミン尿の頻度を調べたAVA-E試験では、高血圧患者の30%程度に微量アルブミン尿が認められたと報告されています。今後は、微量アルブミン尿の検査が、欧米のように高血圧やCKDが疑われる患者様にも施行できるようになることを心より願っています。今回は、最近注目されているCKDの病態や微量アルブミン尿検査の意義、将来期待できることなどをプレスの方々に、分かりやすく解説させていただきました。朝日新聞、経産新聞、日経メディカルなど22名の記者の方がセミナーに参加してくださり、沢山の質問をいただくことができました。私は、プレスセミナーは初めてでしたが、とても良い経験となりました。
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by hiramitsu-hc | 2012-05-10 14:21 | 講演の案内 | Comments(0)
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