平光ハートクリニック

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名古屋市南区にある循環器内科・内科・小児科の平光ハートクリニック
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平光ハートクリニック 院長 平光伸也のブログ  hiramitsu.exblog.jp

堂上蜂屋柿

 岐阜県美濃加茂市から富加町にかけての地域、蜂屋で取れる蜂屋柿は、食の世界遺産とも呼ばれる「味の箱舟」に岐阜県で初めて認定された貴重な干し柿です。堂上とは、朝廷への昇殿を許された格をもつという意味で、朝廷(天皇)や将軍(源頼朝、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉)に献上されたと伝えられており、当時は蜂屋柿1個と米20升が交換されたともいわれています。つまり蜂屋柿は、1000年以上前の平安時代から伝えられる干し柿の王様なのです。また 岐阜県国際バイオ研究所らの研究グループは、果皮エキスにアディポネクチンの量を増やす作用があることを新たに発見しています。このアディポネクチンは、「メタボリックシンドローム」を改善し、糖尿病、高血圧、動脈硬化などを抑制する働きをもつ物質です。また、同研究所らは果皮エキスが糖化反応を抑制することも見出しています。糖化反応は、糖尿病や皮膚の老化に深く関与していることが知られています。これらの働きから蜂屋柿の果皮が生活習慣病を防ぐ健康食品や皮膚の老化を防ぐ化粧品の原料として注目されています。私の叔父(今井辰巳氏)は、美濃加茂市在住のこだわりオヤジです。叔父は、私が幼い頃から熱心に勉強を教えてくれました。また勉強だけでなく、人生に大切な様々なことを教えてくれた私の人生の師匠です。この叔父は本職は酒屋ですが非常に多趣味で、飛騨の民芸家具を作らせたら腕前はプロ並みで、私のクリニックの仕事机も手造りでこしらえてくれました。また毎年、手作りの蜂屋柿を送ってくれます。生産量が極端に少ない蜂屋の生の柿を仕入れ、丁寧に皮を剥き、物干しにきれいに並べて、自宅で蜂屋柿を作ります。毎日日射しや湿度を考えて、場所や方向を変えながら40日間かけてゆっくり完成させます。その手間は、並大抵なものではないようです。今年も立派な蜂屋柿を箱に入れて送ってくれました。私はワインが大好きですが、この蜂屋柿はワインにとてもよく合います。また冷凍すれば、長期保存も可能ですから、ワイン会の際などに一つずつ解凍して、ドライフルーツのようにワインに合わせながらいただいています。ねっとりとした舌触り、口一杯に拡がるフワーとした甘味、なんとも言われない上質な味わいです。しかし先日叔父に聞いたところ、こんなに手の掛かる蜂屋柿を作る方がもうほとんどいらっしゃらないと言うことです。このままでは、折角の食の世界遺産が絶滅してしまうことになってしまいます。日本の食文化は、とても健康的であることが、今世界中で注目されています。蜂屋柿も今後末永く、継承していただきたいと思っています。皆さんも是非一度味わってみてください。因みに私の叔父は、趣味で蜂屋柿を作っているので、販売はしていませんが...。
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by hiramitsu-hc | 2012-01-08 20:03 | グルメなお話 | Comments(0)
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