平成23年10月5日にマリオットホテルにて第7回腎臓Expert Meetingが開催されました。この会は、春日井市民病院院長で腎臓内科のスペシャリストである渡邊有三先生が中心となって若手の先生方を集めて開催している研究会です。約30名の先生方が集まられ、活発なディスカッションがされました。特に『ラジレスの腎への影響 ~多施設間症例解析~』では興味深いデータを拝見できました。大規模臨床試験や我々の研究では、eGFR30未満の重症なCKDは除外されていますが、今回のデータは重症CKDが50%以上含まれていました。しかしアリスキレンの投与後もGFRの低下や血清カリウム値の上昇は認められておらず、本剤は腎機能が低下した症例にも使用しやすい薬剤であることが示されました。腎機能が低下している症例にレニンアンジオテンシン系抑制薬を投与するのは心配ですが、アリスキレンなら少し安心できそうですね。アリスキレンは最も新しい降圧薬ですので、今後もこのような新しいデータが次々と報告されると思います。とても楽しみな薬剤です。
Opening Remarks
名古屋第二赤十字病院腎臓内科部長 稲熊大城先生
Discussion
司会 春日井市民病院腎臓内科部長 成瀬友彦先生
症例1 『薬剤師から見たラジレスの安全性』
演者 刈谷豊田総合病院 薬剤部 近藤洋一先生
症例2 『視力低下を機に発見された腎不全の1例』
演者 名古屋第二赤十字病院腎臓内科 萩山義明先生
症例収集 『ラジレスの腎への影響 ~多施設間症例解析~』
演者 春日井市民病院腎臓内科部長 成瀬友彦先生
特別講演
座長 刈谷豊田総合病院腎臓内科部長 小山勝志先生
『臓器保護を考慮して降圧薬を使い分ける ~DRIの使用経験を含めて~』
演者 平光ハートクリニック 平光伸也