最近は、生活習慣の欧米化に伴い食事の内容がずいぶん変わってきました。魚や野菜が中心であった従来の日本食から、肉類、乳製品が多く含まれる西洋風の食事に変化してきています。また便利な世の中になるに従い外食する機会も増え、ファストフードを食べる機会も増えてきています。以前から長寿の国として知られていた沖縄、琉球王国で、沖縄クライシスという大変な現象が起きています。男性の寿命が急速に短くなっているのです。その原因を断定することはできませんが、魚の摂取量が減少し、肉類の摂取が多くなっていることが一因であると考えられています。今回は、ノーマルボランティアの方々にクリニックに集まっていただき、高脂肪負荷で上昇する血清脂質の変化を検討させていただきました。私は、特に脂質異常症もなく健康だと思っていましたが、高脂肪食を食べて血液検査を行ったところ、下の図のように血清がどんどんと白濁してゆきました。とてもショックでした。血液がドロドロになっているような気がして、とても心配になりました。この変化が、エイコサペントエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の投与により、改善するか否かを検討する予定です。EPA+DHA製剤は欧米では10年以上前から使用されていましたが、我が国では本年1月に初めて保険適応が収載されました。この薬剤を投与して、食後高脂血症が改善するか否かを検討します。今から1ヶ月後の結果が楽しみです。